ACR/ex(エーシーアール エクス)とは?
生活者の属性や商品関与、メディア接触など網羅的に調査した、代表性のある大規模シングルソースデータです。同一サンプルに対し、生活者属性、商品関与、メディア接触など網羅的に調査しているため、多角的にそして正確に捉えることが可能になります。仮説立案(0次プランニング)から、キャンペーンやブランドの管理まで一気通貫で活用出来ます。
データ
- 全国の主要7地区、合計約10,000人に定点的に調査を実施。
- 東京50km圏の約5,000人は1年間のモニターパネル化、「商品関与」を年4回、「メディア接触」は年2回調査している。
そして、生活者を捉える4つの切り口がありますので、紹介します。
1.内的特性(意識・行動)
生活者の属性だけでなく性格や価値観、嗜好や消費行動といった内面まで補足
商品関与(認知・利用・欲求)
生活者の商品・ブランドとの関わり(5,000ブランド以上を網羅)
メディア接触(6媒体への接触実体・意識)
購買プロセスごとの情報入手経路と、生活者のメディア接触やメディアに対する意識
独自項目
ACR/exパネルにお客様独自の設問を取得可能なフレーム、御社独自の切り口で、①~③のデータ自由自在に分析可能
上記4つを組み合わせると様々なデータを把握することが可能です。
例えば、対象ブランドの認知~購入 / 設定した条件保有者のペルソナ分析 / メディアプランニングを行う上の仮説付け・・・etc 様々な分析用途が存在しますので、ツールの操作方法を学ぶとプランに活用が出来るかと思います。図1に設問の構成を纏めてみましたので、参考にして下さい。
※図1 設問の構成

分析事例
ここから分析事例について紹介します。このような活用方法や分析方法があるんだと思って頂ければと思います。もし会社にツールがあれば、ぜひ活用してみて下さい。もし、すでに活用している方は把握されている内容になりますので、ご参考までにして頂けたらと思います。
市場の現状について
いくつか例として設問を作成してみました。様々の切り口が存在するので、一例としてご認識下さい。
設問
「A商品の使用有無(最近3か月)」※期間はいくつか選択肢が存在
調査したい商品やサービスの使用有無を調査することが出来ます。例として以下に図を作成しました。使用有無を調査することで、対象のブランドにて使用されているか否かを把握することが出来ます。

設問
「A商品にて各年代での使用状況(最近3か月)」※期間はいくつか選択肢が存在
上記で「使った」と回答した中で、デモグラ切りをしたものが以下の図になります。女性10代-60代の10代区分で分けてみました。勿論、男女切りや年齢を細かく切ることも可能になります。以下の図では、20-30代の使用状況が他の年齢と比べると高い傾向にありますね。

設問
「A商品の購入場所」
こちらも様々な切り口が存在します。例えば、
- 大型の総合スーパーマーケット
- ホームセンター
- ドラックストア(マツモトキヨシ・ツルハ・スギ薬局など)
- ECサイト(楽天・Amazonなど)
- 通信販売
対象のブランドによって、どの購入場所を選択するかは広告主からのヒアリングを元にプランナーが選択するスキームになります。調査したい項目を選択して頂ければと思います。
ブランドの現状について
ブランド名認知 / 内容・特徴認知 / 使用ブランド【最近1年間】 / 購入意向ブランド / ロイヤルユーザー(使用あり&購入意向あり) / 使用(今後の意向なし) / 関与(使用あり&購入意向あり)/ トライアル意向者(使用なし&購入意向あり)/ 認知のみ など
上記の設問は一部記載しておりますが、組み合わせてファネルを作成することが可能です。例としてファネルを作成してみましたので、参考までにこのようなことが出来るのかという理解を頂ければと思います。
図2は各ブランドのファネルを作成。以下は条件です。
- 集計区分:制年齢別(女性12-69才)
- N数 2,366人
- 対象のブランド:3ブランド
今回例として記載したファネルは、ブランド製品認知 / 内容・特徴認知 / 購入意向ブランド / ロイヤルユーザーのファネルになります。
ブランド名認知が最も高いのは、ブランドAですね。一方、ブランドAに関しては、ブランド名認知から内容・特徴認知に落ちる%のテコ入れを行う必要がありそうです。内容・特徴認知がさらに改善することでロイヤルユーザーに落ちる割合が増加すると予想が出来ます。
ブランドBとブランドCは、ブランドAと比較してブランド名認知がかなり低いです。まずは認知の施策が必要となります。その後の、ファネルはどのブランドも大きく差はないので、まずはブランドを消費者に知ってもらうことが重要となるでしょう。
このようにブランドのファネルがある程度把握することが出来ますので、ブランドの現状を理解した上でメディアプランニングの作業に移れるわけです。各ファネルで施策内容が変わってきますし、伝えるべきメッセージングも検討する必要があります。ブランドの立ち位置を理解することは、メディアプランニングしていく中で非常に重要な項目になります。
※図2 各ブランドのファネルについて

ターゲット像について
対象のブランドのターゲット像を把握する為に、性格分析・価値観・消費行動分析などの組み合わせてこのブランドのターゲットって×××の人かな?と仮説付けることも出来ます。
プランナーが仮説付けたものをベースに広告主とディスカッションすることも出来るでしょう。広告主の方が、消費者のターゲットを理解しているはずですので、プランナーは調査データを整理して、ファクトベースを元にディスカッションするとターゲットが決まりやすいかと思います。
図3に例として、ACR/exから特性を抜粋していきましたが、消費者の特性項目がツール上に存在しますので、対象のブランドにマッチする設問を組み合わせていく形になります。設問を探すのは少し大変ですが、操作していくと慣れていくのでぜひ活用してみて下さい。
※図3 例:生活者タイプ 購買特性(あてはまる・やや)

メディアプランの検討について
メディアプランしていく上で、タッチポイントが重要な観点の1つになりますが、こちらもデータを元にタッチポイントを決める必要があります。どのようなファクトデータが存在するから、このタッチポイントですという感じです。例として図4を作成してみました。
- タッチポイント:SNS(Facebook/Instagram/Twitter/LINE)
- 設問:SNSに影響されて購買・利用したか?
- カテゴリ:美容 コスメ、スキンケア用品など
※わかりやすく、SNSのみのタッチポイントを抜粋しています。
まず美容関連カテゴリでは、購入する前のタッチポイントとして、SNSが重要ということを前提でお話をさせて頂きます。(特に若年層にアプローチする上で、SNSのタッチポイントが外せません)
上記の前提がある中で、Facebook/Instagram/Twitter/LINEの4つ媒体でどのタッチポイントを活用すべきなのでしょうか。
この図から読み取れることは、
読み取れること
- 女性20代はInstagramとTwitterを見て購入に繋がっている→左記の2媒体が重要。
- 女性30代はInstagramのみで良さそう。
- Facebook/LINEを見て、美容関連の商品を購入する傾向は見受けられない。
勿論対象ブランドのターゲット層によりますし、他メディア全体(クロスメディア)での比較をする必要がありますが、上記のような考え方でACR/exを活用しながら、メディアプランを行うことも可能です。
※図4 ACR/ex SNSに影響されて購買・利用した(美容関連のみ)デモグラ別
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まとめ
ACR/exは様々なシーンや分析視点で活用が出来ます。
- 市場分析
- ターゲット決め
- メディアプランニングに
- ブランド(自社・他社)の現状確認
・・・etc
メディアプランニングを行う前の整理に非常に活用しやすいツールですので、ぜひご参考にして頂ければと思います。