アドテクノロジー

デジタル広告の価値毀損。「ビューアビリティ」「アドフラウド」「ブランドセーフティ」について

はじめに

「ブランド毀損を防がなくてはいけない。」最近よくこの言葉をお聞きになっているでしょうか。広告主・代理店・媒体様々な方面でも発言されているので、世の中で関心が高い事柄になりつつあるでしょう。今回はデジタル広告毀損を構成する3つの課題「ビューアビリティ」「アドフラウド」「ブランドセーフティ」についてお話させて頂ければと思います。

まず、「デジタル広告毀損」とはなんのことでしょうか?広告主側はなぜ広告に予算を投下するのかを本質的なところを考えるとブレークダウン出来るかと思います。広告に予算を投下するのは、「商品・サービス」が売れることがKGIになるので、しっかり広告の効果があったのかを見ています。いわゆるCVです。CVする経緯の内で、認知・興味関心・購入意向・購入というファネルがありますが、どのファネルであっても、広告という手法が利用されており、ユーザーに「適切な掲載箇所」で「広告を見てもらう」必要があります。

プランナーとして、ブランドを毀損する可能性がある掲載先は管理・阻止しなければなりませんし、広告が「ユーザーに本当に見られているのか」などの視認性もチェックする必要があると思っています。

では、詳しく「ビューアビリティ」「アドフラウド」「ブランドセーフティ」の項目を説明していこうと思います。

ビューアビリティ

ビューアビリティ

広告掲載インプレッションのうち、実際にユーザーが閲覧できる状態(広告を見ることができる状態)にあったインプレッションの比率のことを示します。

デジタル広告インプレッションは、Webページ上にある広告がロードされたタイミングで発生するため、実際にユーザーが広告を閲覧していない状態でも課金されてしまいます。インプレッション課金(CPM課金)などの場合は、このケースに該当することになります。

デジタル広告の経験がない方でも、「なんで広告を見ていないのに課金されるの?」と思う方が多いと思います。ただビューアブル100%は難しく、日本のビューアブル平均も約40-45%と言われています。このような問題をきちんとチェックを行うことが重要になりますので、ユーザーに表示された広告配信のパーセンテージ=ビューアビリティを確認していく必要があります。

IBA(Interactive Advertising Bureau)が提唱するビューアブルインプレッションの定義

広告の50%以上が1秒間以上(動画の場合は2秒以上)表示されたインプレッション

多くの媒体や広告主もこの定義を理解している方が多いので、スタンダードとして扱われています。

ビューアビリティ

エクセキューションを行っていくと媒体毎の「ビューアビリティ」を把握することが出来るようになります。例として以下にグラフを作成しました。

apple to appleに比較する為に、同オーディエンスを複数の媒体で運用した際にビューアビリティを各媒体で比較し、「ビューアビリティが低い = 広告がユーザーに見られていない媒体」に関しては、運用のテコ入れを行う、ビューアビリティが良い媒体に注力することを検討する必要があります。

以下のグラフで言うと、媒体Eはビューアビリティを改善する余地はあります。把握することで、運用の改善に繋がりますので、定期的なウォッチをオススメします。

ビューアビリティ 各媒体比較(Displayのみ)

アドフラウド

アドフラウド

広告詐欺のことを示し、ロボットによって無効なインプレッションやクリックを行い、水増しを行為のことを言います

要するに「悪質媒体やサイト」が収益目的でロボットに水増しさせている詐欺行為です。「実際の消費者=人間に配信されているのか」をチェックし、広告主にとって意味のある広告をユーザーに対して提供する為に、アドフラウド対策が重要になりつつあります。昨今トラッキングしている企業が多くなってきており、関心がより高まってきています。

上記でロボットによる無効なインプレッションやクリックが存在することを記載しましたが、ロボットには2種類ありますので、少し紹介しようと思います。

Invalid Traffic(無効トラフィック)の種類

Invalid Traffic(無効トラフィック)は2種類に分けることが出来、GIVTとSIVTと呼ばれています。※以下の図をご参照

GIVT(General Invalid Traffic)

Googleのクローラーなど、悪意の無いボットやクローラーや、ブラウザのプリフェッチ機能

SIVT(Sophisticated Invalid Traffic)

マルウェアやアドウェアなど、無効トラフィックやクッキーを故意に偽装する為のボットや人的インプレッション SIVTは、収益目的のロボットであり、悪意のあるものになります。さらにSIVTの中も細分化されているので、記載させて頂こうと思います。

Invalid Traffic(無効トラフィック)の種類

  • Standard bots:IE基盤のマルウェアのような基本的なボットで複数セッションを同時に誘発する典型的なボット
  • Volunteer bots:クラウド側に浸透しているボットでUSにて主流になっているボット
  • Nomadic bots:プロキシサーバーやVPNに浸透し、ネットワーク情報を隠すボット
  • Sitting ducks:ユーザーのデバイス側に浸透しているボット
  • Profile bots:プレミアムサイトに長く滞在し、価値あるユーザー情報に成りすますボット
  • Masked bots:ブラウザの多くの要素を装っているため、検出がしにくいボット

またなぜ不正トラフィックが発生するのでしょうか?以下にメカニズムも記載したいと思います。

  • ハッカーがボットを作成し、ボットネットセンターから操作
  • ユーザーは知らずにダウンロードし、自身のパソコンにボット・エンジンをインストール
  • ボットはプレミアムサイトに行くように指示され、必要なクッキーを取得、そして詐欺サイトへ
  • 最もトラフィック量の多い不正サイトは広告主を引き付けるためにエクスチェンジやネットワークを使用
  • 広告は継続的にボットに表示される
  • ボットネットの運営者は支払いを受ける

この辺りが理由となり、不正トラフィックが発生と言われております。

ブランドセーフティ

ブランドセーフティ

「広告掲載先の品質確保による広告主ブランドの安全性」と定義されています。※JIAA(一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会)のブランドセーフティガイドラインより

昨今、デジタル化が進む中で様々なコンテンツがアップロードされ、そのコンテンツを誰でも目にすることが出来るようになっているかと思います。例えば、ポルノや薬物関連、ヘイトスピーチなどの公序良俗に反するコンテンツ、違法に掲載されている著作権侵害するようなコンテンツものなどです。このようなコンテンツに広告主の広告が掲載されてしまうのを防ぎ、ブランド毀損に繋がるリスクを回避することを「ブランドセーフティ」と呼んでいます。

ブランド毀損に繋がりかねないコンテンツに広告が掲載されてしまったら、消費者にとって、その企業やブランドに対して、ネガティブなイメージを持つ可能性があるでしょう。実際に、私が担当していた大手企業でもブランド毀損になるコンテンツに広告が掲載しれてしまったケースがあり、その際に消費者の方から問い合わせがありました。

その時は、大事にはなりませんでしたが上記で説明したようなコンテンツに広告が掲載されたということは、広告費として活動資金をサポートしていることになってしまいます。社会活動としても良くないことです。広告主・媒体者・代理店共に協業しながら、広告主のブランド毀損を防いでいく必要があります。

対策方法について

広告主や代理店などがビューアビリティやブランドセーフティを対策・チェックする為には、アドベリフィケーションツールを活用する必要があります。アドベリフィケーションについて、解説している記事は以下になります。

アドベリフィケーションとは?png
アドベリフィケーションとは?

アドベリフィケーションとは?なぜ必要になってきているのか? アドベリフィケ―ション(AD Verification)とは、「デジタル広告でブランドイメージを損なうことなく、広告が目的に沿って適切に掲載 ...

続きを見る

まとめ

■ビューアビリティ

広告掲載インプレッションのうち、実際にユーザーが閲覧できる状態(広告を見ることができる状態)にあったインプレッションの比率のこと。

■アドフラウド

ロボットによって無効なインプレッションやクリックを行い、水増しを行為のことを言う。「実際の消費者=人間に配信されているのか」をチェックすること。

■ブランドセーフティ

公序良俗に反するコンテンツに表示されていないを確認すること。

プランニング手前の必ず行うべきことだと思います。プランニングする際に、様々な媒体さんとコミュニケーションを取ることが多いかと思いますが、この3点を気にしながら適切な媒体選定を行うことをオススメします。

-アドテクノロジー

Copyright© Media Planning Information , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.