はじめに ブランドリフト調査とは?
ブランドリフト調査とは、広告の接触者グループ(広告が配信されたユーザー)と非接触者グループ(広告が配信されていないユーザー)で、接触者グループがどのくらいアップリフトがあったのかを示す指標のことになります。
「メディアプランニングのプロセス」の記事でも少しご説明していますが、デジタル広告には大きく分けてクリックやCVを指標とする“ダイレクトレスポンス”系と”ブランディング”系に分かれます。
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メディアプランニングのプロセスについて
はじめに ここでは実際にメディアプランニングを作成していくプロセスについて具体例を交えながらお話したいと思います。視点としては代理店よりになりますが、広告主の方々ももし参考になることがあれば嬉しいです ...
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ダイレクトレスポンス系は指標として分かりやすく、広告の効率で明確になります。とにかく安い単価でCVやクリックを獲得することが多いです。一方でブランディング系に関しては、どのような指標を持つことになるのでしょうか?ダイレクトレスポンスのように、クリック効率が良かった・悪かったかと言って、ブランディングに効果的だったのかは不明確です。ファクトとして、示すことが難しいです。そこで、ブランディングの効果を調査する方法としてブランドリフト調査が存在します。
注意点
説明の仕方として、“ダイレクトレスポンス”系と”ブランディング”系が2つに完全に分かれているように感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、この2つの関係は表裏一体だと私は思うので、”ダイレクトレスポンス”だから、獲得効率という訳ではないと考えています。誤解しないようにして頂ければと思います。
ブランドリフト調査でどのような効果がわかるか?
購買行動モデルの中で各ファネルに対して、広告効果があったのかを調査します。各ファネルとは、「認知・興味関心・購入意欲・実購入」などの購買行動モデル各ファネルのことを指します。※ 購買行動モデル はカテゴリによって異なりますので、上記のファネルのみでは御座いません。購買行動モデルとは、一般的にいくつか謳われているモデルが御座いますので、別の記事で紹介しようと思います。
ブランドリフトで一般的に行われることが多いのは、「認知・興味関心・購入意欲・実購入」のファネルになります。(勿論、広告主が調査したい内容に沿って、質問を設計して下さい)
今回は、「認知・興味関心・購入意欲・実購入」のファネルについて話を進めますが、各ファネルに対して、質問をユーザーに質問していきます。 → 広告の接触者グループ(広告が配信されたユーザー)と非接触者グループ(広告が配信されていないユーザー)の%を比較し、接触者の方が上がったことを示す指標を出していくことになります。
では例として、どのような質問になるかをご紹介しようと思います。
広告認知についての質問
Q1
具体的なクリエイティブを掲載していないですが、広告として配信したクリエイティブを掲載します。
そしてここで、広告認知%を取得することが出来ます。例えば、100人に質問し、広告認知が80%だった場合80人が対象のブランドを認知しているということになります。続いて、以下の質問に移行していきますが基本的には、認知者の人が次の質問に進めるようになっているので、ご理解頂いた方が良いです。
興味関心についての質問
Q2

ここで、対象ブランドの興味関心を質問していきます。上記で説明している通り認知者に質問をしています。よって、80人に興味関心を質問しています。よく調査では、TOP1とTOP2という言葉が出てきますが、TOP1=1.とても知りたい / TOP2=2.やや知りたい のデータになりますので、言葉の意味を理解した方が良いかと思います。
購入意欲についての質問
Q3

ここで、対象ブランドの購入意欲を質問し、同様に認知者のみが対象になります。TOP1=1.とても購入したい / TOP2=2.やや購入したい こちらも同様の意味になります。
実購入についての質問
Q4

ここで、実際に購入したかを質問しています。ご注意頂きたいのが、基本的にアンケートになりますので、ログベースのデータではなく、対象者が回答している = 購入したということになります。調査会社によって、ログベースのデータを付け合わせて本当に購入した人に調査することも可能です。実際に調査会社にヒアリングしてみて下さい。
対象ブランドのファネル結果
まず、対象ブランドの認知~実購入のファネルを作成可能です。このようなイメージになるでしょう。例えば、100人に質問をしたとします。
認知~実購入のファネル
- 製品認知:80%なので、80人
- 興味関心:40%なので、40人
- 購入意欲:25%なので、25人
- 実購入:2%なので、2人
ということになります。このようなデータが集まると、ファイルの結果を把握することが出来る為、現状のブランドのウィークポイントを加味しながらメディアプランニングを行うことが出来るようになるかと思います。

ブランドリフト調査を数回か行えば、時系列で以下のような結果を把握することが可能です。Control=非接触者になりますが、接触者の方が上がっている場合、広告配信を行い、ブランディング効果があったとファクトベースの仮説で報告出来るでしょう。列として、以下の図を作成しました。※以下のように綺麗に結果が出ないこともあるので、ご理解頂ければと思います。

メニュー毎のファネル結果
メニュー毎の認知~実購入のファネルも作成出来ます。デジタルは様々なタッチポイントが存在しますが、どのファネルにどのメニューが効果的なのか?も調査することが出来ますので、メニュー決めのロジックにもなるかもしれません。注意点としては、調査会社のタグを広告に設定出来るメニューのみが対象となります。Facebook・Instagram・Twitterはタグを設定出来ないので、調査不可になっています。
各メニューのファネル結果は、以下のように把握することが出来ます。コントロール(非接触者)と接触者のメニュー毎の結果を例として纏めたものになります。メディアプランを行っていく上で、活用出来るデータになると思いますので、ご参考にして頂ければと思います。

まとめ
- ブランドリフト調査を実施することで、ブランディング系の評価を行いやすい
- そ対象ブランドの認知~実購入のファネル結果を把握することが出来るので、メディアプランを行っていく上で参考になる
- 各メニューのファネル結果を把握することが可能(タグ設定可否を確認すること)