インスタグラム広告とは?
インスタグラムは、日本人における月間アクティブユーザー数が3,300万人を越え(*1)、女性比率が57%のメディアです。LINE, Twitterに次いで大きく、年齢幅も20代前半~50代まで幅広く利用されています。特に日本においては著名人、インスタグラマー、一般ユーザーまでほぼ毎日目にするメディアでもあるため、マーケティング活動にはかかせないメディアの一つとも言えます。
(参考)FACEBOOK newsroom
インスタグラム広告は、Google Ads, Twitter広告等と同様に「認知、検討、獲得、促進、ロイヤルティ」というユーザーの行動ファネルの各領域において最適な広告配信メニューが設定されています。
またFacebook社が運営しているため、広告配信プラットフォームはFacebookと共通で使用することとなり、配信面をFacebook またはインスタグラム(Facebook社が構築しているアドネットワークである)オーディエンスネットワーク、またはメッセンジャーを選択する形式になります。メディアプラニングにおいて大事なのは必ずしも特定の組み合わせが正しい訳ではなく、KPI達成のためにはプラニング後の運用でTest & Learnを繰り返し、最適化を図ることを想定することです。
例として、広告主の課題が「認知」の場合でご説明致します。
課題が認知の場合
- キャンペーン目的:リーチ目的
- 買い方:リーチ&フリークエンシー
- 配信先:インスタグラムのみ
- 広告フォーマット:動画またはカルーセル
といったように、常に4つの基本要素の組み合わせを決めていくプラニングが基本になり、さらにここにターゲティング手法を追加してプラニングするのが一般的です。ただし前述の通り、この組み合わせは運用を繰り返すことで最適化を図る必要があります。
リーチ&フリークエンシーは以下の記事で解説していますので、ご覧ください。
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インスタグラム広告 配信設定と広告種類について
インスタグラム広告 配信設定の形式について プランニングの項目でリーチ&フリークエンシーツールを使って「ターゲットオーディエンスのリーチ試算を行う」という解説をしました。続いてこのシミュレーションをし ...
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1.キャンペーン目的
- サイト誘導 / 動画再生
- 投稿シェア
- コンバージョン獲得
- いいね!シェア、コメント等
- エンゲージメント
2.買い方
- リーチ & フリークエンシー(CPM)
- オークション(oCPM, CPM, CPC, CPV, CPF, CPE)
3.ターゲティング
デモグラフィック情報
- 性別、年齢、地域(エリア)、交際ステータス、卒業、在籍校、学歴、専攻
- 勤務先、役職、業界、言語、生年月日、子供有無
興味関心情報
- 好きなページやアプリ
- アクティビティ(チェックイン)
- 興味、関心
端末情報
- OSバージョン、デバイス
- 利用ブラウザ、Wifi接続環境ユーザー
ライフイベント
- 引越し、結婚、婚約、誕生日、
- 記念日、遠距離恋愛等、よく旅行する人
インスタグラムの動画広告について
インスタグラム広告は、前述の各ファネルにおける目的に応じて、最適な広告フォーマットを選択することができます。
それぞれの使い方や役割は、「インスタグラム広告 配信設定と広告種類について」を参考にして頂きたいのですが、この記事では特に「動画フォーマット」に焦点を当てて説明を進めます。
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インスタグラム広告 配信設定と広告種類について
インスタグラム広告 配信設定の形式について プランニングの項目でリーチ&フリークエンシーツールを使って「ターゲットオーディエンスのリーチ試算を行う」という解説をしました。続いてこのシミュレーションをし ...
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なぜ動画フォーマットに焦点を当てるかというと、動画メディアのユーザー数、若年層のユーザー率増加に伴いスマホでの動画視聴がリーチ、さらには認知を獲得するには静止画よりも効果があるという調査結果が多く出ているからです。
もちろん、キャンペーン目的がリンク先ページへのトラフィック目的、またはキャンペーン応募の場合は「Link(動画 フォーマット」や「カルーセルフォーマット」といった広告フォーマットにリンク先ページへのリンクが予めつついているものを選択する方がトラフィック獲得のために配信アルゴリズムも働き効率が良いです。
ですので、目的に応じてフォーマットを選択することが大事です。Facebook 社の調査によると、動画広告によるブランドリフト効果が出ており、また動画広告を最後まで見ず最初の1秒でも効果がある、という結果が出ています。以下の図をご覧頂くと、「広告想起のリフト」「ブランド認知のリフト」「購買意向のリフト」のどのファネルにも寄与していることがわかります。勿論、動画の再生が長くなるにつれ、パーセンテージは上がっていきます。
続いて、Facebookのマーケティングサイエンスチームの分析になります。ニールセンの調査結果と、視聴時間別の視聴人数を組み合わせ、視聴時間別のキャンペーン価値を推定しているものになります。
上記のグラフに表れている通り、視聴時間が3秒未満の人たちだけでもキャンペーン総価値の最大47%を、視聴時間10秒未満の人たちまで含めた場合は全体の74%まで占めています。視聴時間が長くなるほどリフト効果は高まりますが、10秒未満の視聴であってもブランド認知や購買意向はしっかりと向上しており、視聴時間が短くても十分な広告効果が得られることがわかりました。
参照元:FACEBOOK for Business を引用しております
https://www.facebook.com/business/news/JA-video-for-brands
インスタグラムは、スクロールされるインターフェーズであるため、最初の数秒で印象に残るクリエイティブで無ければ認知を獲得することができません。そのため、メディアプランニングと同時に、クリエイティブも同時にプラニングすることがいかに重要かということが分かります。テレビとはメディアの特性、視聴態度が異なるため、テレビCMをそのまま使うことは広告効果を発揮しません。最初の5秒のみ、オフテイクやバックステージシーンなどのカットをTVCM最初の5秒に付与することで、動画視聴率が飛躍的にアップしたケースもあります。
まとめ
- ビジネスの目的、広告の目的から、配信フォーマット、ターゲティング手法、クリエイティブのプランニングを行う。(クリエイティブから入らず、目的が先。)
- インスタグラム用の動画広告を用意する。できるだけ短い動画でテストする。
- 最初の5秒にテレビCMとは別のカットを付与する。(テレビCMしか素材が無い場合)
- 動画広告の目標は視聴率(VTR)を高めることであり、それがブランド認知、購買意向に貢献する。ただし、動画前半にインパクトのあるクリエイティブを配置することで、完全視聴でなくても広告効果をもたらすケースがある。