はじめに
キャンペーンに動画広告を活用することは、かなり一般的になってきました。皆さんも毎日数え切れない動画広告に接触していることでしょう。動画だけではなく、さらに広く言えば毎日たくさんのコンテンツを見ているかと思いますので、特定の広告自体を記憶することはなかなか難しいです。
「良いターゲティングは顧客を見つけ出す。良いクリエイティブは、顧客を創り出す。」という考え方がありますが、この記事では、YouTube動画広告を制作するために重要な考え方となる「ABCDメソッド」というものを解説致します。
参考情報:TrueView アクション でターゲティングに寄り添ったクリエイティブを
注意ポイント
本件の情報は、他記事とは異なり私の経験というよりは、学んだ内容をシェアしている形となっています。もし、参考となる情報があれば制作に活用頂ければと思います。
ABCDメゾットの概要
Google社調査から、ABCDフレームワークを開発しています(※参照元より)。ファネル全体のブランド指標を対象とし、各マーケティング目標(認知、比較検討、行動)に対するクリエイティブお指針を示しています。これらのマーケティング目標の測定には、ブランド効果測定指標(広告想起、比較検討、購入意欲)が使用されています。
Attract
視聴者の注目を引き、視聴し続けてもらう
Brand
視聴者にブランドを認知してもらう
Connect
ブランドに対して考えたり感じたりしてもらう
Direct
視聴者の行動を促す
Attract
ABCDメゾットのA_Attractパートになります。前段で記載していますが、「Attract=視聴者の注目を引き、視聴し続けてもらう」という項目になります。Attractで重要な項目は、3点です。
構図
商品か人物かに関わらず、被写体のアップを活用することを推奨しています。商品や人物をはっきりと映すと、視聴者が情報を把握しやすく、関心を維持しやすいとのことです。
確かに、商品カットを分かりやすく映していないとイメージ出来ないと思います。私が商品カットなどでしっかり映している素材を以下に張り付けときます。最近よく見るThe new iPhone SEの素材になります。
ペース
冒頭5秒間に2つ以上のショットを入れるようにすると、視聴者の関心を維持出来るということです。
情報を把握するのに無理のないペースでシーンを変えると関心を引き立てれますし、情報量の少ないシンプルな広告の場合、情報量の多い複雑な広告よりも、シーンの変更ペースを早くすることが出来ます。もし、複雑な広告の場合は、各シーンを2-3秒でカットすると良いでしょう。
私のイメージですが、スポーツ関連の素材はカット細かくして制作しています。以下のような素材が、冒頭5秒間に2つ以上のショットを入れている例となるでしょう。
人物
人物を動画に登場させる場合は、その人物を映した場面から始めます。また、可能であればその人物から視聴者に語りかけるような内容が良いらしいです。
人物の顔は、見たいという気持ちにさせ、エンゲージメントを高めることが出来、脳科学では一人称情報(カメラに向かって直接語りかけた情報)は、視聴者の行動に大きな影響を与える可能性があることが分かっているようです。以下に参考になりそうな動画を紹介します。(海外の動画です)
Brand
ABCDメゾットのB_Brandパートになります。前段で記載していますが、「Brand=視聴者にブランドを認知してもらう」という項目になります。
紹介
冒頭5秒間で商品やブランドを紹介することで、ブランド指標にプラスになりやすいという結果があり、ブランドや商品を早い段階で登場させると、視聴者を順応さえエンゲージメントが高まりやすくなります。
また映像や音声など多角的に訴求することで、ブランドの印象を付けやすくなります。テキストと音声による訴求を探しました。2019年6月くらいの素材ですが、私はなんとなく覚えている素材で、CMやYouTube広告でよく接触しました。
強調
冒頭やストーリーにブランドロゴを表示させるとブランド認知が獲得しやすいとのことです。
こちらはイメージ出来ますでしょうか、マクドナルドのCMが近しいと思われます。ロゴではないですが、ストーリー上にマクドナルドのマークなどが出てきているので、強調していると思いました。
位置
ロゴや商品の表示位置は中央から左が良い。YouTubeのインターフェースを考慮し、目線を誘導しやすい位置にロゴや商品を訴求すると良いらしいです。中央から左にはないですが、中央に何回か商品が登場するCMです。
Connect
ABCDメゾットのC_ Connectパートになります。前段で記載していますが、「Connect=ブランドに対して考えたり感じたりしてもらう」という項目になります。
惹きつける
ブランドに合った、感情に訴える手法(アクション・ユーモア・好奇心など)を活用すると良いらしいです。ユーモアを組み入れると広告を受け入れやすくなり、またストーリーテリングにうまく組み込むと広告を見たいという気持ちになります。
かなり前のものですが、ファンタの先生シリーズなどは、このユーモアを軸とした例になるかと思います。企業動画はもう存在しなかったので、画像を張り付けておきます。
関連付ける
人物をストーリーの中心に据えます。広告の冒頭に人物を登場させると、視聴者を引き込み、感情的なつながりを築くことが出来ます。
知名度の高い人物を起用すると、宣伝している商品やサービスなどが、社会的観点で信頼出来るものだと認識されます。また、一般の方を起用する場合もターゲットペルソナに合わせた人物を登場させると購入意欲が高まりやすくなるらしいです。
▼有名人・タレントさんの起用した例
▼ペルソナに合わせた人物にした例
Direct
ABCDメゾットのD_ Directパートになります。前段で記載していますが、「Direct=視聴者の行動を促す」という項目になります。
提示する
テキストカードやナレーションを使って、行動が促しやすいフレーズを提示する態度変容しやすくなるらしいです。Amazonの初売りの例を張り付けました。テキストとナレーションで分かりやすく且つ、行動しやすい訴求だと思いました。
動機付ける
「期間限定」「数量限定」「無料モニター」など、お得感を与えるメッセージを活用すると、視聴者の行動を促しやすくなります。
上記のAmazonの初売りも、期間限定などの訴求なので、このようなイメージになります。
行動させる
具体的な「行動を促すフレーズ」、ウェブにアクセス、「お申込み」「今すぐ購入」などを使用したり、検索バーを素材に追加すると行動しやすくなります。
以下のように検索バーを追加し、検索行動を促すという手法です。よくある手法で本当に検索するの?と疑う方もいらっしゃると思いますが、トラッキングなどを行うと検索行動を促した結果もあります。私は実際に経験しましたが、対象KWからの流入が増加しました。※以下の事例ではないので、誤認しないようにお願い致します!
ここまで、YouTube広告のクリエイティブについてご紹介しました。「良いターゲティングは顧客を見つけ出す。良いクリエイティブは、顧客を創り出す。」ということでターゲティングも重要になります。
「Youtube広告のターゲティング」や「Google Preferred」についても纏めていますので、ご興味が御座いましたら、ご覧ください。
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まとめ
Attract
- 被写体のアップを使用する
- 冒頭5秒間に2-3個のカットを入れる
- 人物を動画に登場させる場合は、その人物を映した場面から始める
Brand
- 冒頭5秒間でブランドや商品を紹介する
- ロゴや商品の入れ方を検討する
Connect
- ブランドにマッチした、ユーモアや好奇心を促す内容にする
- 人物をストーリーの中心に据える
Direct
- テキストカードやナレーションを使って、行動が促しやすいフレーズを提示する
- 「期間限定」などお得感を与えるメッセージを活用すると視聴者の行動を促しやすくなる
- アクションしやすい内容を検索バーに追加すると行動しやすくなる